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哲学者の最後 ヴォルテール [生きる]

ヴォルテールは、一貫してキリスト教を批判した。

1700年代のことだ。

カソリックのイエズス会の学校で学んだヴォルテールが、どうして「無神論者」になったのか、私は不勉強でわからない。

しかし、その時代に「無神論者」というのは、これは、すごく前衛的なことだったのではないだろうか。

というか、気の小さい人間にはとてもできないことだったろう。何故かというと、以下のような状況が予想されるからだ。

ヴォルテールは、生涯一貫して時の政府や教会を、とにかく声高に批判しまくった。そして、当時としたらかなり長生きして、83歳でこの世を去る。

この世を去ったら、行き場所はとりあえず墓である。しかし、当然といえば当然、パリの教会は彼の埋葬を拒否したのである。ひどく批判されたのだから、恨み骨髄だったのだろう。

これはこたえる。遺体が埋葬できないのでは、本人より遺族が困ってしまう。

仕方なく、ヴォルテールはパリから遠く離れたフランスとスイスの国境近くに埋葬された。1778年のことだ。

何事もなければ、ヴォルテールは今もそのまま国境に近い墓地で静かに眠っていたことだろう。

しかし、世の中は動いていた。

ヴォルテールがこの世を去って11年後、フランス大革命がおこる。

新しくできた革命政府にとって、反政府、反教会のヴォルテールの思想は精神的支柱となっていたのだ。

革命政府はヴォルテールの遺体をパリに移し、パンテオンに丁重に埋葬することにした。パンテオンはフランスの偉人を祀る「霊廟」で、フランスを象徴するような堂々たる大建築である。しかも、宗教色がうすい。

というわけで、現在ヴォルテールは、ヴィクトル・ユゴーやキュリー夫人らと枕を並べて、パリのパンテオンで眠っている。

革命は、こんなどんでん返しも起こすのだ。





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共通テーマ:学問

コメント 6

staka

歴史上の人物は、死後まで翻弄されるのですね。
私は、静かにそっとしてもらっているほうが良いですね。たとえ名誉回復でも。
by staka (2014-11-25 11:06) 

mwainfo

無神論も、多様な正義のうちの一つなのでしょう。
by mwainfo (2014-11-26 11:33) 

アールグレイ

その時代時代で、評価は変わり、待遇も違いますね。
動乱の世の中であればあるほど、
良いと思っていたことが悪になったり。
宗教的なことは、特に強いですね。
by アールグレイ (2014-11-26 20:21) 

palette

◎stakaさん
私も、後の世の人の都合で動かされるよりは、静かに眠りたいです。


by palette (2014-12-03 09:03) 

palette

◎mwainfoさん
正義が多様、というのは、深いですね。
by palette (2014-12-03 09:04) 

palette

◎アールグレイさん
世の中の価値観がわずか10年くらいでひっくり返るのですから、当時生きていた人は大変だったでしょうね。特に宗教は心の問題ですし。
by palette (2014-12-03 09:07) 

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